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佐藤圭太選手描き下ろし / トヨタ自動車

義足の右足から広がる宇宙

カンパニーアーティストの八木ひでともさんが数ヶ月に及び取り組んで来たパラ陸上 100m、200m選手の佐藤圭太選手(トヨタ自動車所属)の描き下ろしがいよいよ2023年4月に完成・お披露目となりました。 2月にアトリエのある大阪から新幹線で佐藤選手が拠点のひとつとしている東京・豊洲にある練習場に見学に行き、パラ陸上の選手になるまでの経緯を直接インタビュー。 佐藤選手が使用している競技用の義足を体験した八木さんは、「サッカー経験者だが、競技用義足から感じるバネは普段の生活では感じ得ないもの。跳ねるような動きになる。」とパラ陸上ならではのギアの力を体感。さらにそのギアを使いこなす佐藤選手の飛ぶような走りを間近で見て、「右足を失ってからの人生こそが無限の可能性とエネルギーがある。」と感じ、描き下ろしに臨みました。  

選手を支えるチームからのフィードバックを力にかえて

今回の描き下ろしが普段と違ったのは、佐藤選手をはじめとするサポートのチームのみなさんのフィードバックを受ける機会が複数回設けられたこと。 エイブルアート・カンパニーの通常の描き下ろしでは、モチーフの決定後は、描き上がりまでアーティスト側と依頼者がやりとりをするタイミングがないことがほとんどです。 描き下ろしを終えて納品をしてからコメントをもらうことはありますが、それ以外のやりとりがあることは稀で、今回はアーティストと依頼者の距離が非常に近く、その分緊張感も高い企画でした。   スタート時のラフ作成後と本制作の途中で、作品画像を送り、佐藤選手のイメージとは?佐藤選手を応援する作品になっているか?と佐藤選手に近いチームだからこそ生まれる意見をもらい、様々な調整を試みました。 特に、意見が出たのは色味です。 佐藤選手へのインタビューでは、佐藤選手自身が好む色はモノクロ、特に黒と落ち着いたシンプルな色。 走りから感じたエネルギーと話している時の佐藤選手自身らしさを作品で表したいと八木さんは言っていました。 一方、チームのみなさんが、佐藤選手と接して感じるエネルギーや印象は、ラフ案よりさらに色鮮やかだったようです。 ▼初期のラフ案 ラフ案へのフィードバックを受け、佐藤選手が好きなモノクロでまとめた初期案から、どう修正を加えていくと納得してもらえる作品になるか悩む時間が長かった八木さん。 自分の表現に改めて向き合い、迷いを振り切って高い密度で佐藤選手のポジティブな魅力を体現した作品を仕上げました。 愛や夢といった自身が持つ大きな創作のテーマや特徴的な描き込み、華やかな印象を受ける色使いなど、魅力を詰め込んだ一作に仕上がっています。 ▼八木さんの描き下ろし経過はこちら ▼描き下ろし作品の応援グッズを持って佐藤選手のレースを応援した後のインタビューはこちら

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