アーティスト同士のスキルシェアセッション レポート③デジタルアート試行(前半)
障害のあるアーティストが、心身の状態や生活、そして社会の変化に合わせながらより豊かに活動を続けていくために、アーティスト同士の経験やスキルを共有するオンラインセッションを2023年からスタートしました。 2023年8月にアンケートを実施し、そこからアーティストの興味関心を掘り下げ、月に1度程度のオンラインでの交流を通して、活動を広げていくための情報をシェアしています。
学び合いの場でそれぞれのスキルを磨く
機材の貸与を受けて初めてデジタルでの制作に臨むアーティストと、これまでもデジタルアートを得意としているアーティストがセッションに参加。たとえば初心者の泉里維さんがアプリケーションの操作方法の疑問をつぶやくと、同じアプリケーションで日頃から創作を行う森豊和さんが、丁寧に答える。自然なかたちで学び合いの場となり、セッションが進みました。テキストを読んでも解消できない小さな悩みも、その場で画面を共有して説明してもらうことでどんどんとクリアになっていきました。 得意分野をシェアすることで、他のアーティストが新しい表現にトライできる、今回のオンラインセッションで目指している循環が生まれていました。また、得意をシェアしているアーティストも、自分を作品で生み出すというこれまでの活動の範囲を超えて、自身が持っているスキルへの気づきやアートを通じて何かを教えるというはじめての経験をする機会ともなりました。
私は元々アナログ画の時は色塗りで失敗することが多かったのですが、デジタルだとそれがスムーズになり、色付けが楽しくなりました。また、簡単に持ち歩け、すぐにデータを共有できるので、得意とする似顔絵なども数名にプレゼントすることが出来ました!中には喜んでお店に作品を飾って下さる方も居ました。日々の忙しさに追われ、創作まで行きつかないことも多かったのですが、デジタルアートの手法によってより創作が身近になりました。 オンラインでのセッションでは、森さんはじめ、多くのアーティストさんにアドバイスを頂き、画面共有で丁寧に説明をして頂けたので、興味のあるコラージュ作品にトライしたりと、新しい挑戦もできました。 (泉里維)