2024年6月18日

【第1回レポート】能登半島地震への支援状況について

エイブルアート・カンパニーでは、令和6年能登半島地震において被災された障害のある人の支援を進めています。 これまで10年以上に渡り、さまざまな被災地の障害のある人の支援をしてくださっている株式会社クリエイティブマンプロダクション様と、「小さなアトリエ基金」として障害のある人の表現活動への支援を続けてくださっている株式会社フェリシモ様の2社から寄付金をお預かりし、石川県内で活動する以下の団体への支援を行いました。 5月下旬に、エイブルアート・カンパニー事務局スタッフが寄付の拠出先を訪問し、活動状況のヒアリングを行いました。団体ごとに2回に分けてレポートいたします。 <寄付先団体> 第1回レポート/株式会社クリエイティブマンプロダクション様からのご寄付 特定非営利活動法人地域支援センターポレポレ 文化・芸術活動支援センターかける 第2回レポート/株式会社フェリシモ様からのご寄付 ※近日公開予定 劇・遊び・表現活動 Ten seeds(テンシーズ) 【第1回レポート】特定非営利活動法人地域支援センターポレポレ/文化・芸術活動支援センターかける  実施場所:石川県(金沢市/能登半島) 実施期間:2024年1月~(継続中) 2024年1月1日におきた能登半島地震。「地域支援センターポレポレ」は、発災直後から、全国の障害福祉関連団体と連携しながら、おもに障害のある人たちの救命・復旧期を支援してきました。仮設住宅が設置運営される復興期においては、「文化・芸術活動支援センターかける」のネットワークを駆使して、おもに能登半島の障害者福祉施設に、心と体をときほぐすような芸術文化活動を届けようと準備しています。 特定非営利活動法人地域支援センターポレポレの沼澤さん(写真右上)と情報交換 文化・芸術活動支援センターかけるの菊さん(写真中央)と情報交換 特定非営利活動法人地域支援センターポレポレは、1991年設立の障害のある人と親が「共に育ちあう」会 ポレポレ*」(*スワヒリ語でゆっくり・のんびりの意味)として立ち上げた団体。2024年の現在では、金沢市において、障害のある人の日中活動を支える場、相談支援事業、造形の会、ボランティアグループ、石川県における障害のある人の芸術活動の中間支援事業を運営しています。 能登半島地震の発災後は、自らの団体関係者の安否確認を行ったあとすぐに、被災地支援に実績のある国内の障害者団体やNPOと連携して、物資支援や生活支援に奔走していました。2024年5月現在もなお、この連携を維持しながら、毎週、zoomで支援活動の情報交換をして、被災地や被災者のみなさんのニーズにあった支援を実施しようとしています。 私たちがヒアリングした5月24日現在は、喫緊の課題として次の二点をあげました。ひとつは、能登半島の福祉事業所では、利用者もスタッフも避難先から元の拠点に戻ることができておらず、その割合は約50%(事業所により70%)にも達し、福祉事業所そのものの存続が危ぶまれているということでした。もうひとつは、これまでの受託のしごと(温泉旅館のマッサージの仕事や掃除の仕事など)が戻らず、生業づくりに課題が生じていることでした。 そこで、「復興支援ギフト」の販売に力を入れようと活動を始めているものの、人がいないなかで、商品の生産が確約できないこと、また営業や発送ができるほどの人員もおらず、こうした活動を担う中間支援組織もないことから、なかなか前途多難であることをお話してくださいました。 私たち、エイブルアート・カンパニーが東日本大震災のあとに見聞し、体験した課題と同じ現象が起きていました。あらためて、障害のある人をとりまく、災害による被害や苦難には、共通点が多いと感じました。この課題をどのような仕組みで乗り越えようとしたか、わずかな時間ではありましたが、情報交換をすることができました。 石川県・奥能登の事業所の製品を集めたチラシ。商品の注文等に関しては、各事業所へ直接問い合わせとなっている。 支援企業・寄付者へのメッセージ 2018年から、国内には障害のある人たちの芸術文化活動を支援する中間支援組織が、都道府県に一箇所程度、設置されています。訪問した、「特定非営利活動法人地域支援センターポレポレ」は、石川県から、この中間支援組織を受託しており、「支援センターかける」として石川県内の関係者と学びの場やネットワークをつくってきました。エイブルアート・カンパニーも、直接支援ではなく、この支援センターかけるを通じて、活動を後方支援していきます。具体的には、被災地にある障害者福祉事業所への芸術文化活動のアウトリーチ活動のサポートになると思います。 文化芸術は、水にも食べ物にもなりませんが、人びとが生きるためになくてはならないこころの栄養であると、私たちは過去の体験と実践から信じています。 クリエイティブマンプロダクションさんが企画する音楽イベントに集うファンのみなさまの志によって集まった寄付を、大切に使わせていただきます。 レポート文:柴崎 由美子(エイブルアート・カンパニー東京・東北事務局)

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